香港

1999年4月

『クーロンズゲート』の世界を求めて・・・

香港には旅行地として魅力を感じたことがなかった。中国文化は大好きなのだが、 香港という街は、グルメとショッピング目的でもなければ縁がない場所だと思っていたからだ。 ところが突然「香港に行きたい！！」と熱烈に思うようになった。 きっかけは、『クーロンズゲート』というゲームだ。 中国とイギリスの間で翻弄された香港を象徴する存在であり、法の及ばない暗黒街として 悪名高かった「九龍城」が1993年に取り壊され姿を消したが、『クーロンズゲート』は この、東洋的ラビリンスと言える不法建築の塊「九龍城」をモチーフにしている。 悪夢のような不気味な路地裏、奇妙に歪んだ建物、サイバーパンクな登場人物たち・・・。 画面から澱んだ空気と堆積したゴミの匂いが漂ってくるようなリアルさと、風水、陰陽道を 鍵とした世界観にすぐに惹き込まれてしまった。クリアした後もゲームの世界が忘れられず、 現実の香港の中に存在するクーロンズゲート的なる場所を求めてみたくなったのだ。

扉の向うにいるのは陰陽師？それとも気功師ウェイ…？