監督：于仁泰（ダニー・ユー）
主演：レオン・ライ（黎明）、ユン・ピョウ（元彪）、邵美h、ン・マンタ（呉孟達）、陳法蓉
立ち退きを迫られている古いアパートを舞台に、様々な人間模様が展開する。レオンは父親に反発して家出した御曹司の役。
●あらすじ●
食堂を営む波記（マンタ）が暮らす古いアパートは、林財閥の牡丹園開発のため立ち退きを迫られていたが、住人は抵抗していた。そこへ現れた波の年若い叔父・大智（ユン・ピョウ）もアパートで暮らし始める。
同じ頃、林財閥の御曹司・楓（レオン）は、母の命日でもある自分の誕生日に見せた父の冷徹な態度に腹を立て、反発して家を飛び出した。ところがチンピラに暴行を受け昏倒、そこを波たちに助けられ親身な看護を受けた楓は、素性を隠したまま住み込みで食堂の手伝いをするように。
（←レオンのこういう拗ねた顔も好き）
ある時、波の一人娘マギーに来ていた手紙を仕事先まで渡しにいくと、「娘はデザイナー」と波が話していたのと違い、彼女はアシスタントに過ぎなかった。楓はマギーの秘密を守る約束をし、二人は親しくなる。その後、マギーが叔父の会社に応募していることを知った楓はこっそり口利き、晴れてマギーは採用された。
一方、立ち退き工作を進める林の部下に雇われたヤクザたちは、アパートの住人で金に困っている気弱な周を使って嫌がらせを仕掛ける。そのために大火傷を負った波の代わりに厨房に立った大智は、北京仕込みのアクロバティックな料理パフォーマンスで客を沸かせ、それが評判となり店は大繁盛。やがて国内外の高級レストランで活躍できるチャンスが訪れる。波は頑固に反対するが、夢を求めて店を出ていった大智は華々しい成功を収める。大智の去った波の店は閑古鳥が鳴き、追い打ちを掛けるように周のおかげで食中毒事件さえ起こしてしまう。だが波たちは逆にヤクザをこてんぱんにやっつけて退散させる。
立ち退き工作を知った楓は父を激しく叱責、その直後、父は興奮したことが引き金となり心臓発作で入院してしまう。その夜、楓はマギーの誕生日を祝うため彼女を訪ねるが、採用の裏に楓の口利きがあったことを知って憤慨したマギーと仲違い。マギーを追いかけようとした矢先、父親が重体だと知らされた楓は病院に駆けつけ、叔父から、母親の亡くなった日さえ仕事を優先したと思われていた父の行動には、金銭トラブルに巻き込まれた叔父を助けるため止むに止まれぬ事情があったことを聞かされる。楓は自分の態度を反省し、病床の父に詫びた。
まさにその時、波たちを恨んだヤクザの手によってアパートは焼き払われようとしていた。周の急報で楓たちが現場に駆けつけると、既にアパートは火の海。中に取り残された波とマギー親子は楓によって無事救助されたものの、波は妻の遺影を取りに再び中へ。さらにアパートに住む少女がまだ中にいることを知った楓も少女を探しに入る。丁度そこへ帰ってきた大智が波を救出、そして楓も危機一髪で少女を助け出した。
数年後、めでたく楓とマギーは二人の子供をもうけ、新築した波の店もパパイヤスープが評判となり大繁盛となった。
●レオンのつぼ●
大スター、ユン・ピョウとの共演ながら、レオンは一歩も引けを取らない存在感を示していると思うのは私だけではないはず！
もちろん、ユン・ピョウの料理アクションがこの映画に華を添えているにしても、物語上で重要なのはレオンの役。
ふてくされたボンボンが人情味溢れる住人達と交流する中で自然体になっていく様子が良かった。レオンは若くて初々しくて、瞳がキラキラしてる。火事の中へ少女を救出しに行く場面では、助かるのは分かり切ってることだけどハラハラドキドキ、手に汗握り、そして炎を背に姿を現した瞬間のレオンはまさしくヒーロー！！水浴びでずぶ濡れになりながらのキスシーンも、素肌に張り付くシャツがセクシーだし。ドキドキ（*^.^*）
●映画のツボ●
やっぱりン・マンタはちょっと情けないオヤジ役が最高に似合う。ン・マンタがいてこそ、この映画も味わいがあるというもの。ストーリー自体は使い古された設定、分かり切った展開なのでB級って感じだけど、なかなか面白かった。ただ、クレジットでは主役扱いなのにユン・ピョウの役が浮いている感じ。クライマックスである火事シーンも、ユン・ピョウとブレーク中のアイドル・レオンという二人のスター両方に花を持たせるためか、同じような救出シーンが繰り返されて、ちょっとしつこい。
「アクロバティックな料理人」ってテーマは『食神』とか『金玉満堂』とかでも見られるけど一時期流行っていたのかな？
