主演：レオン・ライ、ミシェル・リー、キャサリン・ハン、アテナ・チュウ、フェイ・ウォン
脳移植をめぐるSFサスペンス。最初、キャサリンとミシェルの区別がつかなくて混乱してしまった（汗）。レオンは主要な女性キャラ全員に惚れられちゃう色男役。レオンとミシェルの仲が当時、相当噂になったらしい。
●あらすじ●
●藍綾との恋の始まり
脳外科医の原振侠（レオン）は、演出家の藍綾（キャサリン）と知り合い恋に落ちる。原の同僚看護婦で藍綾の親友、雲彩（アテナ）が二人の仲を応援していた。
●入院患者の謎と黄絹の不振な行動
その頃、何者かに襲われた老人・黄匡が入院するが、老人は怯えた様子で沈黙したまま。原は、あるパーティでモデルの黄絹（ミシェル）と出会う。その会場でスリを働いていた二人の女は黄絹のペンダントを盗もうとしたが、その中に隠されていた「小さな地図」が偶然にも原の手に渡る。その後、黄絹の共演者が入院中にピストル自殺を図った事件で、原は黄絹の行動に疑いを持ち、親友の朱刑事に協力して謎を探っていた。黄匡が事件について語ろうとした矢先、娘を名乗る黄絹が現れ、連れ去ってしまう。身の危険を感じた黄匡は原に保護を求めるが、病院へ戻る途中で失踪してしまう。
●隕石と秘密組織
女盗賊、良辰・美景は、「小さな地図」を宝の在処を示すものだと思い、原から奪おうとするが逆に命を助けられ仲間になる。天文現象をヒントに地図の場所を割り出した原は隕石を発見するが、ついに秘密組織の一味・莫名（＝朱刑事の部下）が黄絹と共に姿を現した。莫名は人質にした藍綾と雲彩と引き換えに隕石を奪い、原ら３人と黄絹をコンテナに監禁してしまう。４人は危機一髪で助かるが、黄絹は事件との関わりを否定し、警察を煙に巻く。
新任医師・金石は原の旧友で、かつての恋人・藍綾に復縁を迫るものの、藍綾が原と交際していることを知って嫉妬。医学界で失脚した自分と比べて、将来有望な原に憎しみを募らせていた。その頃、良辰・美景の活躍で黄匡が発見される。本人の希望により脳をCTスキャンにかけることになるが、医学的大発見を独占しようと別の医師・方信が脳部の照影写真を隠匿、さらに過失によって黄匡を死なせてしまう。脳の秘密を守るため、組織は方信を殺し、黄匡の墓を暴き頭部を滅却する。
●洗脳されていた黄絹
死ぬ直前に発した黄匡の「黄絹を救ってくれ」という言葉で、原は黄絹が組織のコントロール下で利用されていると気づく。我に返って父の死を知った黄絹。だが改造されて以来涙が流れなくなった黄絹は、悲しくても泣くことさえできなかった。やがて治療に通ううち優しい原に惹かれて急接近、そんな二人の様子を見て藍綾は苦悩する。
●王子誘拐、海棠の片思い、藍綾の死
その頃原が親しくなった某国の旭日王子は、秘密組織に拉致され失踪。王子のボディーガードで恋人の海棠（フェイ）が王子を探しに香港へ現れ、協力して組織と接触を試みるが、黄絹も拉致されてしまう。そうした中で、海棠もまた原に惹かれていく。原は藍綾に誠意を示して求婚するが、それを知った金石は、組織を利用して藍綾の脳に凶悪犯の脳細胞を移植。藍綾は凶暴な性格に豹変し、結婚式当日に原を殺そうと襲いかかる。だが原を助けようとした海棠によって撃たれた藍綾は、原の腕の中で本当の自分に戻り息を引き取った。やがて王子が発見されるが、組織によって廃人同然にされていた。王子を守れず、藍綾を殺してしまったことで海棠は自分を責め自殺を図ろうとするが、原に思いとどめられ、王子を見守っていくことを誓って共に国に帰っていった。
●秘密組織の陰謀
脳細胞移植による秘密組織の陰謀に気づいた原たちは、世界中の医学論文を読みあさり、ついに事件に繋がる学説に突き当たる。それを唱えたドクターは４年前に事故死、さらにその友人がSF作家の黄匡だったのだ。組織の陰謀を公にするため、実力者の栄耀に協力を仰いで証拠の資料を渡すが、栄こそが秘密組織のボスだった。秘密の研究所で栄らに捕らえられた原、雲彩、朱刑事の３人は「平和な世界を実現するために完璧な人類を創造、統治する」という組織の目的を知る。金石の罠によって窮地に落ちた３人は、モニターで原の姿を見て記憶を取り戻した黄絹の助けで脱出に成功する。
●黄絹との恋
黄絹と原は愛し合うようになるが、自分の犯した罪を知った黄絹は自殺を図ろうとし、間一髪で原に助けられる。体調を崩した黄絹が入院し精密検査を受けると、彼女の脳に別人の脳細胞が移植されていることが明らかになった。莫名から、組織の制御を受けた人間は二ヶ月おきに薬を注射しなければ死んでしまうこと、そして黄絹に藍綾の脳が移植されたことを知って原は愕然とする。組織のためにだけ生きていた莫名も、自分は奴隷でしかないのではないかと疑念を抱き、栄が隕石を元に開発した不死の薬を盗み出そうとするが失敗してしまう。看護婦の雲彩は次第に原を意識するようになっていたが、原の心の中に入り込む余地がないことを悟って黄絹に嫉妬した。だが黄絹の余命が一ヶ月だと知って謝罪しにいくが、黄絹は自分の余命を知ってショックを受ける。
●金石に利用された黄絹
そして組織は、完璧な人類の祖型として、全てに秀でた原こそが最適だと考え、原を仲間に引き入れるために、黄絹に「不死の薬を原に飲ませれば、永遠に一緒にいられる」と吹き込んむ。しかし黄絹が受け取った薬は、密かに金石が毒薬にすり替えたものだった。そうとは知らず、黄絹は原が愛用するフルートに毒薬を塗り続けていたが、次第に原は変調を来たし、突然暴れ出すようになる。精密検査の結果、中毒になっていることが判明。犯人が黄絹だと知った周囲は激怒するが原だけは彼女を庇う。解毒のためには血液の交換が必要で、同じ血液型の雲彩が命がけで大量の血液を提供、そのおかげで、原は快復に向かった。栄の妻に陰謀を気づかれた金石は彼女を殺すが、原の犯行だと思いこんだ栄は、不死の薬を餌に、莫名に再び原殺害の任務を言い渡した。ところが、莫名に襲撃された原を庇って、雲彩が銃弾を頭に受けてしまう。一旦は助かったものの弾丸摘出手術に失敗して命を落とす…。再び中毒症状が悪化した原と黄絹の前に金石が現れ、跪いて懇願すれば解毒治療をしてやるというが、二人ははねのける。だが雲彩の死を思って、黄絹は原を救う解毒薬と引き換えに、金石に身を任せてしまうのだった。
●最期の時が訪れるまで…
翌日目覚めた原は、黄絹が自分を助けるために金石と関係を持ったことを知って衝撃を受ける。黄絹は金石を死に追いやり、二度と会わないつもりで原の元を去ったが、失踪した黄絹を探し出した原は、「幸せの黄色いハンカチ」の話をして、全てを受け入れ、黄絹と共に残された時間を精一杯生きようと誓った。タイムリミット間近となって発作に苦しむ莫名は再び原の殺害に向かうが、戦闘を通して原の深い慈悲に触れる。秘密の研究所に戻った莫名は栄に「原を殺した」と嘘を告げるが、栄は、奴隷の莫名に不死の薬を与えるつもりなど毛頭なかったのだ。怒りに震える莫名。そこへ原が登場、莫名と乱闘する振りをしながら研究所の機器を破壊していった。人間らしい感情を失ったはずの莫名だったが、原を逃すために身を挺し、感電死してしまう。不死の薬を持って逃げた栄を追いつめた原。だが、崖から転落した栄と共に不死の薬も大地の露と消え、黄絹を救う方法は無くなってしまったのだ。たくさんの黄色いハンカチを結びつけた林の中で抱き合う二人の脳裏には、数々の思い出が走馬燈のように蘇った。その時、黄絹の瞳から一筋の涙がこぼれ落ちたのだった。
●レオンのツボ●
謎めいたSFサスペンスだけじゃなく、レオンを中心に複雑な恋愛関係が繰り広げられるという、盛りだくさんなドラマ。冒頭から魅せ場の連続だった。友人のピンチに、ヨットで颯爽と登場し、大勢の悪人を次々倒してしまう。しかもワイヤー使用して、空高く飛び上がったり宙返りしたりの、ハイパーアクション（笑）。めちゃめちゃ強い！医者なのに何故か拳銃を所有しているし、事件に首を突っ込んで警察の事情聴取にまで同席するし、そんなこと許されるのか！？才気溢れる脳外科医で、ベンツ数台、ヨット所有、芸術的センスがあり、星の観察が好きで、手術の時にはクラシックを流し、ケンカが強く、女に優しく、慈悲の心に溢れ…って、もう嫌味なくらいスマートな役。孤児院で育った話は取って付けたようだけど。どんな男もみんなレオンの引き立て役に過ぎない。惚れるなって言う方が無理でしょう！実生活でもこうなのかしら？なんて想像して、レオンのモテモテぶりを見るのがすごく楽しい。
恋人を愛しているんだけど、自分を好いてる女の気持ちに感づくときの、戸惑いの表情が最高！優柔不断とは違うけど誰にでも優しすぎて、こんな男の彼女だったら溜まったもんじゃない。ミシェルとレオンのツーショットは、どうしても『裏・天使の涙』に思えて、キャサリン（藍綾）よりもミシェル（黄絹）を応援して見てしまう。アテナ・チュウも思ったより可愛かったし、二人組の女盗賊も掛け合い漫才みたいで面白かった。フェイ・ウォン（海棠）とレオンが寒さに耐えて体を寄せ合う、ちょっと良いムードのシーンも、すごくレアなものを見て得した気分！
後半はミシェルとレオンが恋人同士になれるから良かったけど、ミシェルを死なせないで、ハッピーエンドで終わって欲しかった…。マジで泣いてしまった。